- ChatGPTが無能すぎて役に立たない…
- ChatGPTが使えない回答ばかり返してくる…
話題のChatGPTを使ってみたけれど、全然役に立たないと感じていませんか?
ChatGPTの苦手なことを命令していると、求める回答を得にくくなります。
今回は、ChatGPTができないことやできること、うまく使いこなすコツなどを解説します。
この記事を読めば、ChatGPTをどんな場面で使えばいいのか判断できるようになりますよ。
ChatGPTができないこと
まず、以下のとおりChatGPTができないことを押さえましょう。
- 100%正確な回答
- 最新情報の提供
- 未来予測
- 医療や法律などの専門的な質問への回答
- 選択肢の判断・決断
ChatGPTにできないことを理解すれば、どのような場面で使うべきなのか判断しやすくなります。
100%正確な回答
ChatGPTは膨大なデータを学習し、人間が書いたような自然な文章をつくれます。
しかし、回答内容に誤りがみられる場合があります。
例として「雀の子そこのけそこのけお馬が通る」という俳句を詠んだのは誰か、を聞いてみました。
質問:「雀の子そこのけそこのけお馬が通る」という俳句を詠んだのは誰ですか?
回答:「雀の子そこのけそこのけお馬が通る」という俳句は、正岡子規(しょうおかしき)によって詠まれたものです。正岡子規は、日本の近代俳句の先駆者の一人であり、俳句の形式を独自に発展させた俳人です。この俳句は、日常の風景を繊細に表現したものとして知られています。
正解は江戸時代の俳人・小林一茶ですが、ChatGPTは明治時代の俳人・正岡子規と回答しました。
正岡子規は「まさおかしき」と読むため、ふりがなも誤りであることがわかります。
ChatGPTは、入力された単語と関連する確率の高い言葉をつなげて文章をつくるようにできています。
回答内容がまちがっているか判断する能力はないため、常に正しい回答を得られるとは言い切れません。
最新情報の提供
ChatGPTに蓄積されているデータは、2021年9月までのものです。
そのためChatGPTを利用しても、最新情報をリアルタイムに得られません。
現在(2023年8月時点)の日本の総理大臣は誰か質問したところ、以下の回答を得られました。
質問:現在の日本の総理大臣は誰ですか?
回答:申し訳ありませんが、私の情報は2021年9月までのものであり、現在の日本の総理大臣を把握していません。2021年9月時点では、菅義偉(すが・よしひで)氏が日本の総理大臣でしたが、その後の情報は私にはわかりません。
もし現在の日本の総理大臣を知りたい場合は、インターネットやニュースソースなどで最新の情報をご確認ください。
2021年9月時点の総理大臣を教えてくれましたが、最新情報に対応していないことがわかります。
未来予測
ChatGPTは、未来に何が起こるのか予測することもできません。
一般的な傾向や可能性を論じることはできますが、詳しい未来予測は不可能です。
例として、世界人口がどうなるのか聞いてみました。
質問:2023年の世界人口は80億4500万人です。3年後の2026年の世界人口を予想してください。
回答:
申し訳ありませんが、私は予測を行うことができるAIではありません。私の情報は2021年までのものであり、未来のイベントについての情報は持っていません。
世界人口は多くの要因によって影響を受けるため、正確な予測は難しいです。経済、医療、社会的な変化、出生率、死亡率などが将来の人口に影響を与える可能性があります。
正確な予測を得るためには、将来の人口動態に関する専門家や統計機関のデータを参照する必要があります。そのような情報源を利用して、より正確な予測を行ってください。
わかりやすくするために現在の世界人口も入れましたが、予想してもらえませんでした。
医療や法律などの専門的な質問への回答
ChatGPTに相談すればさまざまなアドバイスを受けられますが、医療や法律などの専門的な質問には回答してくれません。
ChatGPTが学習しているのは、インターネット上にある情報だけです。
専門家レベルの知識がないので、以下のように一般的なアドバイスしかできません。
質問:昨日からめまいや顔のほてりがあり、体がだるいです。病院へ行ったほうがいいですか?
回答:私はAI言語モデルであり、医療専門家ではありませんが、一般的な情報を提供できます。めまい、顔のほてり、体のだるさは、熱中症の症状に含まれる場合がありますが、他の要因によっても引き起こされる可能性があります。
熱中症は、高温環境や高湿度下で長時間過ごすことにより体温調節機能がうまく機能しなくなり、体内の熱が過剰に蓄積することで発症する状態です。主な症状にはめまい、頭痛、倦怠感、顔のほてり、吐き気、脱水症状などが含まれます。
(後略)
選択肢の判断・決断
ChatGPTに最適な判断を求めても、決断するために必要なアドバイスが返ってくるだけです。
質問:現在メーカーの営業として働いています。3年目なのですが、ノルマを達成できずきついです。20代のうちに転職した方がいいか悩んでいます。転職するか、今の会社で頑張るか、私の代わりに決めてください。
回答:私はあなたの代わりに決定することはできませんが、いくつかの観点から助言を提供します。
まず、転職を考える前にいくつかのことを考慮することが重要です:
1.ノルマ未達成の理由: ノルマ未達成の原因をよく分析してみてください。それは競争が激しい市場や商品の需要不足など、外部的な要因か、あるいは自身のスキルやアプローチに問題があるのか、自己評価をしてみることが大切です。
2.現在の職場での成長機会: 現在の会社で将来的な成長機会があるのかを考えてください。スキルアップや昇進の機会、教育・トレーニングのサポートなどがありますか?
3.メーカー営業のキャリアに対する自身の目標: メーカー営業の職に対する自身の目標や興味関心を再確認してみてください。もし、この分野に強い情熱があるなら、転職よりもスキル向上に集中することも選択肢として考えられます。
(中略)
これらの観点を考慮した上で、転職するか、現在の会社で頑張るかを決めると良いでしょう。転職は新たな挑戦を迎えることができる一方で、現在の会社での成長や経験も大切な要素です。良いキャリアの選択ができることを願っています。
「私はあなたの代わりに決定することはできません」という前置きから始まり、複数の観点からアドバイスして、最終的な判断を質問者にゆだねています。
ChatGPTに決断を求めることはできず、責任を問うこともできません。
ChatGPTができること
ChatGPTが得意なことは、以下のとおりです。
- 質問に対するわかりやすい回答
- 文章要約
- 翻訳
- 例文生成
- 記事作成
できることも押さえておくと、ChatGPTの性能を生かしやすくなります。
質問に対するわかりやすい回答
ChatGPTはネット上の膨大なデータを学んでいるため、インターネットで調べられることを質問すれば答えてくれます。
特に「○○とは?」など、一般的な知識を説明することが得意です。
質問:仮想通貨とは何か、小学生でもわかるように説明してください。
回答:もちろん、小学生でもわかるように仮想通貨について説明しますね。
仮想通貨は、インターネット上で使われるお金のようなものです。普通のお金とは違って、硬貨や紙幣ではなく、デジタルで存在します。
例えば、ゲームで使うゲームコインや、お店でポイントを貯めるシステムがあるよね?仮想通貨もそれに似ているんだ。
仮想通貨は、特別な技術で作られていて、ブロックチェーンという仕組みを使って管理されているんだ。ブロックチェーンは、情報を連鎖的につなげることで、安全に取引履歴を記録する仕組みだよ。
(後略)
「小学生でもわかるように」と指示を出すと、専門用語を使わず、親しみやすい口調で説明してくれました。
人間が書いたような自然な表現で、読み手の知識レベルにあった文章を生成できる点が特徴です。
文章要約
ChatGPTを使えば、要点だけをまとめた短い文章をつくることもできます。
例として「弁護士になる方法」を質問し、生成された文章を要約してもらいました。
「弁護士になる方法についての文章を100文字程度に要約してください」と指示したところ、以下の文章が生成されました。
弁護士になるためには、法学士号の取得や法曹資格試験の合格が必要です。実務経験を積み、弁護士会への登録も行い、継続的な教育と資格更新を行うことが重要です。国や地域によって異なる要件があるため、公式情報を確認することが大切です。
元の文章は約750文字で、要約された文章は112文字となっています。
長文要約の効率化や、要点を理解したいときに役立ちます。
翻訳
ChatGPTは複数の外国語に対応しているため、翻訳も可能です。
例として「私はりんごが大好きです」という日本語を、3つの外国語に翻訳してもらいました。
DeepLで再翻訳したところ、すべて「私はリンゴが大好きだ」と翻訳されました。
英語を日本語に翻訳することもできます。
英語:Introducing ChatGPT
We’ve trained a model called ChatGPT which interacts in a conversational way. The dialogue format makes it possible for ChatGPT to answer followup questions, admit its mistakes, challenge incorrect premises, and reject inappropriate requests.
日本語:ChatGPTのご紹介
私たちはChatGPTというモデルを訓練しました。このモデルは会話のような形式で対話することができます。この対話形式により、ChatGPTは追加の質問に答えたり、誤りを認めたり、間違った前提に対抗したり、不適切なリクエストを拒否したりすることが可能です。
OpenAIのページに表示される英語を翻訳してもらいました。
長文翻訳にも問題なく使えます。
例文生成
ChatGPTを使えば、文章の下書きをつくることもできます。
以下は、メールの文面を考えてもらった例です。
件名: 会議日程調整に関するお願い
こんにちは [クライアントの名前] 様、
私どもの[あなたの会社名]チームです。お世話になっております。突然のご連絡をお許しいただき、誠にありがとうございます。
さて、[プロジェクト名や目的]に関する打ち合わせの日程について、調整をさせていただきたく思います。皆様のお忙しいスケジュールに合わせ、最適な日時を見つけることができればと思っております。
以下の日程候補をご提案させていただきます。ご多忙かと存じますが、可能な範囲でご検討いただけますと幸いです。
[日程候補1]:
日時: [日付] [開始時刻] – [終了時刻]
場所: [場所またはオンライン会議のリンク]
[日程候補2]:
日時: [日付] [開始時刻] – [終了時刻]
場所: [場所またはオンライン会議のリンク]
[日程候補3]:
日時: [日付] [開始時刻] – [終了時刻]
場所: [場所またはオンライン会議のリンク]
上記の日程候補について、いずれかご都合の良い日時がございましたら、お知らせいただけますと幸いです。もしも他に希望する日程がございましたら、ご遠慮なくご提案いただければと思います。
何かご質問やご要望がございましたら、どうぞお気軽にお知らせください。迅速なご返信をいただけますと、スムーズな日程調整が可能となります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
敬具,
[あなたの名前]
[あなたの肩書き]
[あなたの連絡先情報]
何もないところから文章を考えるのは、時間がかかるものです。
ChatGPTに指示を出せば、すぐに文章をアウトプットできます。
多少手を加える必要はありますが、業務効率化に役立つでしょう。
ほかにも広告のキャッチコピーなど、アイデア出しに使えます。
記事作成
文章を短時間でアウトプットできる点を生かし、記事作成の効率化も可能です。
- 検索意図のリサーチ
- 構成案の作成
- 本文執筆
- 記事タイトルの考案
- 文章校正
WebライターやブロガーがChatGPTを使えば、業務効率化を実現できます。
ChatGPTを使った記事作成の方法については、「ChatGPTが普及してもWebライターが必要な理由を解説」で解説しています。
ChatGPTをうまく活用するコツ
ChatGPTを無能と感じるのは、うまく活用できていないことが原因として挙げられます。
ChatGPTを活用するコツを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- 具体的に質問する
- 条件や情報を与える
- 有料プランに切り替える
具体的に質問する
ChatGPTへの質問は、できるだけ具体的にしましょう。
あいまいな内容だと、質問の意図をくみとってもらえず、望む回答を得られません。
どのような情報を得たいのか、ChatGPTを利用する目的を明確にすることが大切です。
1回の質問で最適な回答が出てこない場合は、複数回質問を繰り返し、聞きたいことを絞っていくのがよいでしょう。
条件や情報を与える
ChatGPTへの質問に前提条件や情報を加えると、回答精度が高まります。
- 役割を与える(「あなたは○○の専門家です。」)
- 生成する文章の文字数を指定する
- その質問をする理由や背景情報を加える
条件や情報が乏しい質問だと、誰にでもあてはまる広くて浅い回答になりがちです。
詳しい情報があれば具体的な質問になるため、求める回答を得やすくなります。
有料プランに切り替える
ChatGPTは無料で使えますが、有料プランに切り替えればGPT-4を使えます。
GPT-4は高性能な言語モデルで、無料プランのGPT-3.5よりも、質問の意図をくみとりやすいのが特徴です。
できないことの1つとして未来予測を挙げましたが、GPT-4ではある程度の予測が可能です。
質問:2023年の世界人口は80億4500万人です。3年後の2026年の世界人口を予想してください。
回答:世界人口の予想は非常に複雑な問題で、多くの変数に依存します。人口の成長率は、経済、医療、教育、政策、災害などの多岐にわたる要素に影響されるため、正確な予測は専門家の分析に基づくべきです。
2023年の人口が80億4500万人であるという前提の下で、近年の成長率を基にして大まかな予想を試みることはできます。
近年の人口成長率の全体的な傾向を見ると、成長は減速していることが多いです。成長率が約1%であるとすると、次のように計算できます。
2024年: 80,450万×1.01=81,254.5万人
2025年: 81,254.5万×1.01=82,066.95万人
2026年: 82,066.95万×1.01=82,887.62万人
この簡単な計算によると、2026年の世界人口は約82億8880万人になると予想されます。しかし、この予想は非常に単純化されたものであり、上述したような多くの要素を考慮していません。専門的な分析に基づいた予測が必要な場合は、人口統計学者や関連機関の最新の報告を参照するとよいでしょう。
また有料プランでは「Webブラウジング機能」を使えるため、最新情報を検索できます。
回答:現在の日本の総理大臣は岸田文雄(きしだ ふみお)です。
参照元のページも表示されるため、信頼度の高い回答を得られます。
月額20ドル(2,800円前後)かかりますが、ChatGPTを使えそうな場面が多ければ、有料プランへの切り替えを検討してみましょう。
ChatGPTを使う際の注意点
ChatGPTを使う際は、以下の点に注意しましょう。
- 回答の正確性を自分で確認する
- 個人情報を入力しない
- 生成された文章をそのまま使わない
回答の正確性を自分で確認する
ChatGPTの回答を信じるのではなく、まちがいないか必ず確認してください。
できないことの章でも説明しましたが、ChatGPTは常に正確な回答を返すとはかぎりません。
最新情報も提供できないため、回答の正確性を自分の目で確かめることを心がけましょう。
特に、詳しくない分野についてChatGPTに質問する場合は注意が必要です。
生成された回答が正しいのかわからず、確認にも時間がかかります。
すでに知識のある分野について、文章を書く手間を省くために使うのがおすすめです。
個人情報を入力しない
ChatGPTに入力した情報は、学習データとして利用され、ほかのユーザーへの回答に用いられる可能性があります。
ChatGPTを提供するOpenAIは、データ利用について以下のように述べています。
When you use our non-API consumer services ChatGPT or DALL-E, we may use the data you provide us to improve our models.
引用元:OpenAI「How your data is used to improve model performance」
お客様が当社の非APIコンシューマー向けサービスChatGPTまたはDALL-Eをご利用になる場合、当社はお客様から提供されたデータを使用して当社のモデルを改善することがあります。
※DeepLで翻訳しています。
以下の方法でデータ利用を防げますが、デメリットがあります。
- 「Chat history & training」をオンにする…履歴が表示されなくなる
- オプトアウトを申請する…メールアドレスを送る必要があり手間がかかる
ChatGPTやOpenAI側の不具合が生じ、データを利用される可能性もあります。
そのため、ChatGPTには個人情報など他人に知られたくない情報を入力しないようにしましょう。
生成された文章をそのまま使わない
ChatGPTはネット上の文章も学んでいるため、生成された回答が誰かの書いた文章に似ていることがあります。
ChatGPTでつくった文章をそのまま使うと、著作権違反にあたる可能性があります。
メディアやブログに載せる記事の場合、Googleにコピーコンテンツと判断されて、検索順位に悪影響を及ぼすかもしれません。
ChatGPTで生成した文章は、CopyContentDetector®などのツールを使って、コピペ率が高くないかチェックしましょう。
まとめ:ChatGPTは無能じゃない!適切な場面で使いこなそう
今回は、ChatGPTができないことやできること、うまく使いこなすコツなどを解説しました。
ChatGPTは、何でもできる万能なAIではありません。
以下のようにできないことも多いので、よく考えて指示を出すことが大切です。
- 100%正確な回答
- 最新情報の提供
- 未来予測
- 医療や法律などの専門的な質問への回答
- 選択肢の判断・決断
逆に、以下のように得意なことを命令するとChatGPTの性能を引き出せます。
- 質問に対するわかりやすい回答
- 文章要約
- 翻訳
- 例文生成
- 記事作成
指示を出す際は、以下のコツを意識しましょう。
- 具体的に質問する
- 条件や情報を与える
- 有料プランに切り替える
そもそもChatGPTには考える能力がないため、「無能」といわれるのも仕方ない一面があります。
人間がうまく指示を出せば、ChatGPTの性能を十分に発揮できるでしょう。
今回の記事を参考に、ぜひChatGPTを使いこなしてみてください。